活動方針  (2021年度)

「御言葉を宣べ伝えなさい。折が良くても悪くても励みなさい。」 (テモテへの手紙二4章2節)

 2021年度を迎えた今も、新型コロナウイルスの終息はまだ先である。関東教区でも埼玉地区をはじめとして各地区で感染者が増大し、医療、経済、日常の生活が危機的状況となり、教会・伝道所もダメージを受けた。それは今年度も続く。コロナ禍の中、日本中、世界中の人が、救いを求めている。また教会の枝々も、礼拝・諸集会に集まることが困難な中、御言葉に飢え乾いている。今年度、私たち教会は問われている。福音を大胆に宣べ伝え、伝道と牧会のために祈りと力を合わせるようにと問われている。私たち関東教区は福音宣教に仕える教区として、感染終息を祈りつつ、キリストの体である教会が福音伝道の使命に仕えていけるように、主にあって連帯して、以下を活動方針として課題に取り組む。

《コロナ禍における教会支援》
 2021年度の教区活動の柱はコロナ禍における教会支援である。昨年度と同様に、負担金減免と教師謝儀互助に取り組む。負担金減免は教団負担金減額相当を教区負担金の減額(2%)とし、状況を見て可能な限り追加減額をしたい。教師謝儀互助は「新型コロナウイルス感染症対策支援制度(教師謝儀互助)」としてナルド基金から500万円を繰り入れて実施したい。コロナ禍の中で教会・伝道所の宣教が支えられるように教区として全力を尽す。

《ナルドの壺献金推進による互助と伝道資金の活用による教会支援》
 「ナルドの壺献金」運動は教区の互助と協力伝道として35年間取り組まれてきた。2020年度は目標額1,200万円に対して     円が献げられた。コロナ禍による教会会計のひっ迫した状況の中、この献金が献げられたことは、「ナルドの壺献金」に対する教区内諸教会・伝道所の熱い思いのゆえである。関東教区の「連帯の証し」は力強い。
 今年度も目標額を1,200万円とした。この献金が満たされ、謝儀互助をはじめ、緊急互助、教団年金互助、退職金互助を通して互助と伝道協力が豊かに行われることを祈りたい。また現在19万円である互助基本額の増額を検討し、謝儀基準の2級5号とすることを目指したい。互助が充実して小規模教会・伝道所の教師が安心して伝道に仕えることができるようにさらに検討を進めたい。また隠退教師が代務者に復帰した場合、教団年金支給がストップし、収入減となる場合もある。その場合の互助も検討したい。コロナ禍の中「ナルド基金」が豊かに用いられている。さらに「ナルドの壺献金」運動をさらに推進する取り組みをしたい。関東教区の現住陪餐会員全員が一日十円を捧げたとしたら、年間2300万円以上になる。「ナルドの壺献金」運動はまだ大きな可能性がある。関東教区の教会・伝道所の連帯の証しである「ナルドの壺献金」に、これからも主にあって取り組み、連帯の灯を燃やし続けよう。伝道資金は、地区の重点伝道のために、また教会協力費による教会・伝道所の伝道計画のために用いる。教区互助と伝道資金を教会支援の柱としても取り組む。

《災害支援体制の充実》
  東日本大震災から10年が過ぎた。関東教区はこれまで様々な自然災害に取り組み、被災支援に全力をあげて取り組んできた。また他教区の支援にも取り組んできた。これからも災害支援委員会を中心に各地区との連携を図り、今後も予想される緊急災害時には迅速な初動体制と教区による支援に取り組めるようにさらなる充実を目指したい。時の経過の中で被災が風化されていく現実の中、被災教区として脱原発・核の廃止等の取り組みを継続したい。

《諸教会・伝道所の課題を共に担う
 教区では新たな伝道所が生み出されてきた一方で、教会の解散・伝道所の廃止という現実にも直面している。様々な伝道の課題を抱え、うめいている教会・伝道所も多い。現住陪餐会員・礼拝出席・教会学校・経常会計の低下が著しい一方、祈祷会出席や一人あたりの献金額は下がっておらず、信徒一人一人が教会を祈り支えていることが分かる。教会の高齢化と言われる中で、長年教会を支え続ける信徒の証しに励まされる。そのような現実の中での諸教会・伝道所の伝道と伝道計画を共に祈り求めたい。またコロナ禍の中で取り組まれたWeb配信を用いた新たな伝道や諸集会や委員会等も含めて教区や地区がなすべき伝道方策、伝道協力を共に模索したい。

《青年・子ども伝道
 青年の減少が叫ばれる中、教区で様々な青年伝道・交流プログラムが取り組まれてきた。現在、コロナ禍の中でストップしているが、コロナ禍が終息に向かう中でKKSキャンプや青年の集い、雪堀りキャンプ等を再開したい。また次世代を担う青年たちを国内外の教会プログラムに派遣することにも取り組む。次の世代の信仰の成長のために祈りを合わせよう。

《教区の多様性を活かしつつ、覚え合って》
 関東教区は、日本海側から太平洋側までに渡る広さと、様々な地域特性や伝統を持っている。都市伝道、農村伝道、新興住宅地の伝道、過疎地の伝道、島の伝道、被災の中での伝道、豪雪地の伝道・・・。その中で一つ一つの教会・伝道所はそれぞれの宣教の課題を与えられつつ、懸命に伝道に取り組んでおられる。この多様さを恵みと受け止める。私たちが互いの教会の取り組みを紹介し合い、また問安し、互いにキリストの体として形作られていくために祈り合っていきたい。またそのために教区ホームページやお祈りカレンダーを活用し、互いに覚え合い、学び合いたい。加えて教区内のキリスト教主義学校との協力。在日大韓基督教会やミナハサ福音基督教会との交流や宣教協力。アジア学院。教区内宣教師との交流・協力で世界の諸教会とのつながりを覚えたい。

《罪責告白と沖縄研修》
 第63回関東教区総会で可決された「関東教区『日本基督教団罪責告白』」が諸教会・伝道所で覚えられ、内容が深められるように取り組む。合わせて教団全体でも用いられることを祈ってゆきたい。またコロナ禍が終息に向かう中で、罪責告白のための歴史検証のきっかけとなった沖縄現地研修を行いたい。罪責の視点に立ち、預言者としての務めに仕えたい。

《教団の諸問題》
 教団機構改定を教区として議論し、取り組みたい。また伝道推進の取り組みに賛同し、共に伝道に仕えたい。しかし教団の諸問題については、関東教区内において様々な意見があるのが現実である。時間をかけた丁寧な対話を基本におく。教区は直接顔と顔を合わせる場であることを重んじ、キリストの体として互いに聞き合い、違いを豊かさとして認め合うことを大切にしたい。

《世に仕える教会として》
 私たちを取り巻く社会情勢は依然厳しく、その厳しさにはじかれて救いを求めて叫ぶ声があふれている。狭山事件再審の実現。沖縄の辺野古基地移設等の問題。ヘイトスピーチ等、私たちも問われている。その声に耳を傾け、応えることのできる教会となるために、教区も祈り、取り組みたい。


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