1. 教区活動方針の土台は、日本基督教団の憲法にあたる教憲6条にあり、まずその2段目に「教区は、本教団所属教会の地域的共同体であって」と規定されている。
共同体と言えば、私たちはすぐに第1コリント12章12節以下の「ひとつの体に連なる多くの肢体」という聖句を思い起こす。その段落は「一つの部分が苦しめばすべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶ」と結ばれている。またここから、ヨハネによる福音書15章1節以下の「ひとつの幹につながる枝々」との聖句も想起する。
教区という地域的共同体は、キリストという体・幹につながる枝々たる各個教会からなる共同体である。教区活動とは、枝々たる各個教会がすばらしい花を咲かせ結実するためにこそなされるためのものと言ってよいだろう。細い枝1本だけでは強い風によって折れてしまうこともあり、うまく幹から栄養を吸い上げられないことも起こるのである。そんなとき、枝々の共同体としての教区がひとつの教会を支え助けてゆくのである。各個教会に「教区という共同体があって本当に助かった」と言ってもらえるような教区活動を推進したい。
こうしてひとつひとつの教会が、「折が良くとも悪くとも」福音を宣べ伝えるようになり(第2テモテ4章2節)、「よこしまな曲がった時代の中で・・・星のように輝く」(フィリピ2章15節)ようになっていければと願う。
2. 上記の点から言えば、まず教区活動の第一は共同体として互助の実施にある。『ナルドの壺献金』を財源として教師謝儀互助をはじめとする様々な互助を実施してゆきたい。近年、これまで謝儀互助を受給してきた教会に公的年金を受けている教師が招聘されたこと、また兼務・代務体勢が敷かれたことなどにより、教師謝儀互助支出額が減額傾向にある。今年度は昨年度に比べると250万円ほど増額になっているが、献げられる『ナルドの壺献金』をできる限り有効に用いてゆきたい。これまでの教師謝儀互助を中心とした互助体勢を十分に確保しつつ、教会互助特別会計予算の残余一定部分を会堂・牧師館の新築や改修などへと用いてゆこうとの意見もあるが、これについては慎重意見もある。次段に述べるように、各個教会からの日常的な会堂・牧師館の維持費用支援への要請も高まっていることも確かであり、この際教会互助のあり方について様々な意見交換をすべく今総会で協議会を開催したいと思う。
教会互助特別会計と共に、教団よりの伝道資金を財源とした教会協力費を用いて地区の伝道や各個教会の諸集会・事業の支援をしてゆきたい。2018年度は、教会協力費の中の『諸集会・事業支援費』(予算80万円)が大いに用いられて予算をはるかに越える申請があった。これを受けて、今年度予算では地区への伝道支援費を昨年度よりも若干減額し教会協力費を昨年度80万円より10万円増額している。また支援の公平性を期するため昨年度の常置委員会において教会協力費内規に変更を加えている。ご理解をいただきたい。
教区人事部として、無牧師教会を支援し要請があれば招聘の相談に応じ、また地区の協力をいただいて兼務や代務者の斡旋をしていきたい。
地域的共同体としての教区の存在意義は、災害時において大いに発揮されることだろうと思う。昨年度第2回常置委員会において、教区内外の災害発生時の初動支援を迅速かつ円滑に執行するため、教区議長ができる決済範囲として50万円を設定した。また教団社会委員会からの募金要請を待たずとも、まず教区に諸教会からの献金を献げていただける事とした。これらの支出や献金は別途会計5−2の『災害援助金特別会計』を原資また受け皿として行うようにした。また昨年度最後の常置委員会において別途会計4−4−3『東日本大震災被災支援献金』の残額の内700万円を、教団よりの支援を受けて会堂を再建し現在なお多額の返済をしている3教会(伊勢崎教会・宇都宮教会・宇都宮上町教会)支援に用いる事を決定した。今後発生した災害については、災災害援助金特別会計で対応してゆく事となる点をご理解いただきたい。今年度も東日本大震災を覚えて祈りを献げる主の日を設けたい。
3. 第二の柱として、一教会ではなし得ない伝道や伝道方策の学びを地域的共同体として実施してゆく。この働きは、具体的には宣教部及び教師部並びに各地区・各委員会に委ねられているものであるが、それらで行われる様々な集会・研修会などを通して地域的共同体としても伝道をなし、また新たな伝道方策についての学びを深めてゆきたい。常置委員会の諮問に基づき、宣教研究委員会において今日の時代社会における伝道・宣教のあり方を提言してゆきたい。
教区内の諸教会教職・信徒が一同に集まって伝道・宣教について考える集会として、宣教部主催の『宣教を考える集い』を大いに用いてゆきたい。昨年の教団総会において、日本基督教団とGMIM(ミナハサ福音キリスト教会の略称)との宣教協約が締結されたが、世界宣教委員会の働きを通して関東教区にある諸教会が在日大韓基督教会やGMIMといった全世界にある教会とつながっている事への理解と喜びを深めてゆきたい。
4. 第3の柱として、冒頭でフィリピ書の聖句を掲げたように、教会は今日のよこしまな時代の中にあって星のように輝くことを強く求められている。私たちを取り囲む社会は「数と力に勝る7つの完全な民」(申命記7章1節より)が支配するところであり、数と力が優先される社会の中で障がいやハンディを持った方々や性的少数者が差別される社会傾向が深まっている。私たちはこのような社会の中で、『貧弱な者』ではあるがしかし『神の宝の民』(いずれも上記申命記7章の聖句よりの引用)として輝きを放たねばならない。今総会で新しく組織されるであろう『靖国・天皇制・憲法問題委員会』と部落解放推進委員会が特にこうした課題を担いまた宣教部における担当委員会もこれを担ってゆく。なお、今年度10月29日から31日まで部落解放全国会議が関東教区で開催される予定であり、教区として協力をしていきたい。平和聖日に「関東教区日本基督教団罪責告白」を基として平和を覚えることができるよう働きかけてゆきたい。
以上3項目の地域的共同体としての働きにおいては、負担金その他の諸献金を欠かすことができない。教団全体でも教勢の落ち込みが顕著であると聞くが、当教区においてもこの10年を見てみると現住陪餐会員数及び経常収入合計は1割ほど減少している。これに対して教区負担金割賦額はそれほど減額されておらず、相対的に現住陪餐会員のひとり当たりの負担額が7%も増加している。負担金の減額は教区だけでなしうるものではなく、現在教団で計画されている機構改定に大いに期待を寄せるものであるが、教区としても共同体機能を維持しつつ各個教会の負担を下げ得るような適正な負担金割賦額や様々な支出の見直しを検討してゆきたい。
5. 最後に、教憲6条の第1段では「本教団はその教会的機能及び教務を遂行するために教区を置く」とある。教区は、教団の指し示す原則に則って託された教会的機能と教務を遂行してゆきたい。また教団が抱え担っている課題を共有すべく『教団問題協議会』を適宜開催してゆきたい。教団の担っている大きな働きの中に隠退教師を退職年金によって支えてゆくことがあり、この制度を支えてゆくためにも「謝恩日献金」を覚え「隠退教師を支える運動」を各地区に担当者を置くなどして推進してゆきたい。
各部・各委員会の活動方針については重複をさけるためここには記していないので、それぞれの該当箇所をご覧いただきたい。
2018年度の活動方針 2017年度の活動方針 2016年度の活動方針 2015年度の活動方針
共同体と言えば、私たちはすぐに第1コリント12章12節以下の「ひとつの体に連なる多くの肢体」という聖句を思い起こす。その段落は「一つの部分が苦しめばすべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶ」と結ばれている。またここから、ヨハネによる福音書15章1節以下の「ひとつの幹につながる枝々」との聖句も想起する。
教区という地域的共同体は、キリストという体・幹につながる枝々たる各個教会からなる共同体である。教区活動とは、枝々たる各個教会がすばらしい花を咲かせ結実するためにこそなされるためのものと言ってよいだろう。細い枝1本だけでは強い風によって折れてしまうこともあり、うまく幹から栄養を吸い上げられないことも起こるのである。そんなとき、枝々の共同体としての教区がひとつの教会を支え助けてゆくのである。各個教会に「教区という共同体があって本当に助かった」と言ってもらえるような教区活動を推進したい。
こうしてひとつひとつの教会が、「折が良くとも悪くとも」福音を宣べ伝えるようになり(第2テモテ4章2節)、「よこしまな曲がった時代の中で・・・星のように輝く」(フィリピ2章15節)ようになっていければと願う。
2. 上記の点から言えば、まず教区活動の第一は共同体として互助の実施にある。『ナルドの壺献金』を財源として教師謝儀互助をはじめとする様々な互助を実施してゆきたい。近年、これまで謝儀互助を受給してきた教会に公的年金を受けている教師が招聘されたこと、また兼務・代務体勢が敷かれたことなどにより、教師謝儀互助支出額が減額傾向にある。今年度は昨年度に比べると250万円ほど増額になっているが、献げられる『ナルドの壺献金』をできる限り有効に用いてゆきたい。これまでの教師謝儀互助を中心とした互助体勢を十分に確保しつつ、教会互助特別会計予算の残余一定部分を会堂・牧師館の新築や改修などへと用いてゆこうとの意見もあるが、これについては慎重意見もある。次段に述べるように、各個教会からの日常的な会堂・牧師館の維持費用支援への要請も高まっていることも確かであり、この際教会互助のあり方について様々な意見交換をすべく今総会で協議会を開催したいと思う。
教会互助特別会計と共に、教団よりの伝道資金を財源とした教会協力費を用いて地区の伝道や各個教会の諸集会・事業の支援をしてゆきたい。2018年度は、教会協力費の中の『諸集会・事業支援費』(予算80万円)が大いに用いられて予算をはるかに越える申請があった。これを受けて、今年度予算では地区への伝道支援費を昨年度よりも若干減額し教会協力費を昨年度80万円より10万円増額している。また支援の公平性を期するため昨年度の常置委員会において教会協力費内規に変更を加えている。ご理解をいただきたい。
教区人事部として、無牧師教会を支援し要請があれば招聘の相談に応じ、また地区の協力をいただいて兼務や代務者の斡旋をしていきたい。
地域的共同体としての教区の存在意義は、災害時において大いに発揮されることだろうと思う。昨年度第2回常置委員会において、教区内外の災害発生時の初動支援を迅速かつ円滑に執行するため、教区議長ができる決済範囲として50万円を設定した。また教団社会委員会からの募金要請を待たずとも、まず教区に諸教会からの献金を献げていただける事とした。これらの支出や献金は別途会計5−2の『災害援助金特別会計』を原資また受け皿として行うようにした。また昨年度最後の常置委員会において別途会計4−4−3『東日本大震災被災支援献金』の残額の内700万円を、教団よりの支援を受けて会堂を再建し現在なお多額の返済をしている3教会(伊勢崎教会・宇都宮教会・宇都宮上町教会)支援に用いる事を決定した。今後発生した災害については、災災害援助金特別会計で対応してゆく事となる点をご理解いただきたい。今年度も東日本大震災を覚えて祈りを献げる主の日を設けたい。
3. 第二の柱として、一教会ではなし得ない伝道や伝道方策の学びを地域的共同体として実施してゆく。この働きは、具体的には宣教部及び教師部並びに各地区・各委員会に委ねられているものであるが、それらで行われる様々な集会・研修会などを通して地域的共同体としても伝道をなし、また新たな伝道方策についての学びを深めてゆきたい。常置委員会の諮問に基づき、宣教研究委員会において今日の時代社会における伝道・宣教のあり方を提言してゆきたい。
教区内の諸教会教職・信徒が一同に集まって伝道・宣教について考える集会として、宣教部主催の『宣教を考える集い』を大いに用いてゆきたい。昨年の教団総会において、日本基督教団とGMIM(ミナハサ福音キリスト教会の略称)との宣教協約が締結されたが、世界宣教委員会の働きを通して関東教区にある諸教会が在日大韓基督教会やGMIMといった全世界にある教会とつながっている事への理解と喜びを深めてゆきたい。
4. 第3の柱として、冒頭でフィリピ書の聖句を掲げたように、教会は今日のよこしまな時代の中にあって星のように輝くことを強く求められている。私たちを取り囲む社会は「数と力に勝る7つの完全な民」(申命記7章1節より)が支配するところであり、数と力が優先される社会の中で障がいやハンディを持った方々や性的少数者が差別される社会傾向が深まっている。私たちはこのような社会の中で、『貧弱な者』ではあるがしかし『神の宝の民』(いずれも上記申命記7章の聖句よりの引用)として輝きを放たねばならない。今総会で新しく組織されるであろう『靖国・天皇制・憲法問題委員会』と部落解放推進委員会が特にこうした課題を担いまた宣教部における担当委員会もこれを担ってゆく。なお、今年度10月29日から31日まで部落解放全国会議が関東教区で開催される予定であり、教区として協力をしていきたい。平和聖日に「関東教区日本基督教団罪責告白」を基として平和を覚えることができるよう働きかけてゆきたい。
以上3項目の地域的共同体としての働きにおいては、負担金その他の諸献金を欠かすことができない。教団全体でも教勢の落ち込みが顕著であると聞くが、当教区においてもこの10年を見てみると現住陪餐会員数及び経常収入合計は1割ほど減少している。これに対して教区負担金割賦額はそれほど減額されておらず、相対的に現住陪餐会員のひとり当たりの負担額が7%も増加している。負担金の減額は教区だけでなしうるものではなく、現在教団で計画されている機構改定に大いに期待を寄せるものであるが、教区としても共同体機能を維持しつつ各個教会の負担を下げ得るような適正な負担金割賦額や様々な支出の見直しを検討してゆきたい。
5. 最後に、教憲6条の第1段では「本教団はその教会的機能及び教務を遂行するために教区を置く」とある。教区は、教団の指し示す原則に則って託された教会的機能と教務を遂行してゆきたい。また教団が抱え担っている課題を共有すべく『教団問題協議会』を適宜開催してゆきたい。教団の担っている大きな働きの中に隠退教師を退職年金によって支えてゆくことがあり、この制度を支えてゆくためにも「謝恩日献金」を覚え「隠退教師を支える運動」を各地区に担当者を置くなどして推進してゆきたい。
各部・各委員会の活動方針については重複をさけるためここには記していないので、それぞれの該当箇所をご覧いただきたい。
2018年度の活動方針 2017年度の活動方針 2016年度の活動方針 2015年度の活動方針