《東日本大震災復興支援と災害支援》
2016年3月11日(金)午後1時半より「関東教区東日本大震災被災5周年記念礼拝」がアジア学院を会場に捧げられた。被災直後から地域の方々と共に歩まれ、教区・教団、世界中の教会の祈りの中で再建したアジア学院オイコスチャペルで、被災地・被災された方々と被災教会へ思いを向けると共に、今も続く復興の取り組みを覚え、祈りを合わせた。この第66教区総会期においても、引き続いて関東教区は被災支援に全力をあげて取り組んでいく。特に間もなく再建工事が完成する水戸中央教会のために祈りを合わせると共に、被災教会の再建工事後の課題を共有し、共に歩み続けたい。また東北教区の取り組むエマオへのボランティア派遣に引き続き取り組む。さらに諸教会・伝道所の簡易耐震診断の支援を行う。これらの課題のために昨年秋に再開した教区東日本大震災支援献金を活用する。各教区総会へ代表者を派遣して感謝の報告をすると共に、5年という時の経過の中で被災の事柄が風化されていく現実の中、脱原発を含め、被災教区として風化させない取り組みを継続していきたい。
昨年9月の東北・関東豪雨で被災した水海道教会と付属施設の再建は、こども園から始まり、今年度、教会・牧師館の取り組みが始まる。教区から全国の教会に呼びかけた支援献金が有効に用いられ、復興が進むように、教区として祈りを合わせたい。また同水害では茨城地区がボランティアセンターに取り組まれた。これまで教区・地区が数々の被災と向き合う中で取り組んできた経験を活かし、複数ある教区の支援委員会を集約して、各地区との支援ネットワークを築き、今後起こりうる自然災害に備えたい。
《30年を経たナルドの壺献金推進による互助》
ナルドの壺献金」運動は教区互助と協力伝道として30年間取り組まれてきた。2015年度は目標額1,200万円に対して99.8%達成の11,971,819円が献げられた。教会会計のひっ迫した状況の中、さらに「東日本大震災」と「東北・関東豪雨」被災支援という課題のある中でこの献金が献げられたことは、「ナルドの壺献金」に対する教区内諸教会・伝道所の熱い思いのゆえである。関東教区の「連帯の証し」は力強い。今年度も目標額を1,200万円とした。この献金が満たされ、謝儀互助をはじめ、緊急互助、教団年金互助、退職金互助を通して互助と伝道協力が豊かに行われることを祈りたい。また災害等の緊急謝儀互助であるナルド基金を充実させたい。30年の取り組みを検討しつつ献金運動をさらに推進する取り組みをしたい。ナルド隊等の復活は祈りである。ナルド教会を囲んでの協議会や人的交流も課題である。また互助教会・互助額の増加の中で、より有効に用いられるように互助規則を検討したい。「ナルドの壺献金」は関東教区の教会・伝道所の連帯の証しである。これからも主にあって一つという連帯の灯を燃やし続けよう。
《伝道資金の活用》
2年目となる伝道資金は、450万円余を拠出し、400万円を受ける。昨年同様、教区負担金に上乗せすることはせず、できる限りこれまでの会計支出に当てはめる。さらにこの資金を用いて教区教会協力費を充実させ、小規模教会・伝道所の伝道計画の支援のために用いる。また各地区の計画する重点伝道を支援する。さらに青年・信徒育成等に用い、実りあるものとしたい。
《諸教会・伝道所の課題を共に担う》
感謝なことに教区ではこの数年で新たな伝道所がいくつも生み出されてきた。伝道の拠点となる教会の誕生のために教区として祈り、伝道が推進されるために力を合わせたい。その一方で、様々な伝道の課題を抱え、うめいている教会・伝道所も多い。この10年を比較するとの教勢(現住陪餐会員・礼拝出席・教会学校・経常会計)の低下が著しい一方、祈祷会出席と一人あたりの献金額は下がっておらず、信徒一人一人が教会を祈り支えていることが分かる。教会の高齢化と言われる中で、長年教会を支え続ける信徒の証しに励まされる。そのような現実の中での諸教会・伝道所の伝道と伝道計画を共に祈り求めたい。また教区や地区がなすべき伝道協力を共に模索したい。加えて活動実態のない教会・伝道所を合併、廃止等で整理することにも引き続き取り組む。その取り組みを通して、その地域の伝道の歴史が覚えられることを願う。今年度も教区として御心を求めつつ取り組みたい。
《青年・子ども伝道》
青年の減少が叫ばれる中、教区で様々な青年伝道・交流プログラムが取り組まれている。KKSキャンプや青年の集いに加え、雪堀りキャンプにも青年たちが奉仕した。また子どもたちへの信仰継承の課題も教区の中で取り組まれている。さらに韓国基督教長老会京畿中部老会との青年・信徒プログラムの実現を含め、青年たちを国内外の教会プログラムに派遣することにも取り組む。次の世代の信仰の成長のために祈りを合わせよう。
《教区の多様性を活かしつつ、覚え合って》
関東教区は、日本海側から太平洋側までに渡る広さと、様々な地域特性や伝統を持っている。都市伝道、農村伝道、新興住宅地の伝道、過疎地の伝道、島の伝道、被災の中での伝道、豪雪地の伝道・・・。その中で一つ一つの教会・伝道所はそれぞれの宣教の課題を与えられつつ、懸命に伝道に取り組んでおられる。この多様さを恵みと受け止める。私たちが互いの教会の取り組みを紹介し合い、また問安し、互いにキリストの体として形作られていくために祈り合っていきたい。またそのために今年度から正式にスタートする教区ホームページや教区お祈りカレンダーを活用し、互いに覚え合い、学び合いたい。加えて世界の諸教会とのつながりを覚えつつ、韓国基督教長老会京畿中部老会との交流、在日大韓基督教会との宣教協力、また教区内の宣教師との交流を大切にしたい。
《罪責告白》
「関東教区『日本基督教団罪責告白』」は、資料集が発行され、諸教会・伝道所、また他教区でも覚えられている。3月には沖縄を有志で訪問し、罪責告白を共に分かち合う時を持った。さらに内容が深められるように取り組むと共に、秋の教団総会に向けて、教団全体でも用いられることを祈ってゆきたい。安保法制化によって私たちの国がさらに「戦争ができる国」となり、国家主義的、憲法改悪に向かう中、罪責の視点に立ち、預言者としての務めに仕えたい。
《教団の諸問題》
教団の諸問題については、関東教区内においては様々な意見があるのが現実である。ゆえに、時間をかけた丁寧な対話を基本におく。教区は直接顔と顔を合わせる場であることを重んじ、キリストの体として互いに聞き合い、違いを豊かさとして認め合うことを大切にしたい。教区の議論が激しさを増すことによって、対立や分裂が生み出されることは望まない。
《世のための教会として》
私たちを取り巻く社会情勢は依然厳しく、その厳しさにはじかれて救いを求めて叫ぶ声があふれている。狭山事件再審の実現、沖縄の辺野古基地移設問題やヘイトスピーチ等、私たちも問われている。その声に耳を傾け、応えることのできる教会となるために、教区も祈り、取り組みたい。
《宗教改革500年》
2017年10月に宗教改革500年を迎える。その時を教区としてどのように迎えるかを1年かけて協議したい。なお教区史の編纂も継続している。これからの伝道につながる時としたい。
1.宣教部における取り組み
(1)ナルドの壺献金運動の推進をはかる。
(2)教会・伝道所の福音宣教を支援する。
(3)東日本大震災被災地・被災教会、アジア学院等の復興支援に取り組むと共に、原発問題を宣教の課題の一つと位置づけて、「原子力発電からの脱却を求める関東教区声明」に基づき、脱原発に取り組む。教区「東日本大震災」被災支援委員会と連携し、ボランティア派遣等に取り組む。
(4)関東教区の宣教を考える集い(宣教綜合協議会)を開催する。
(5)新たに関東教区に着任された教師の「新任教師オリエンテーション」を開催する。
(6)『宣教部だより』『ナルド通信』『ナルドの壺献金Q&A』を発行する。「ナルドマップ」「ナルドの壺」を作成する。
(7)教区K.K.S.(教会、高校生、青年)キャンプ、五地区青年の集い、社会活動協議会、開拓伝道協議会、教会関係乳幼児施設保育者協議会を開催する。また、新たに「青年・信徒育成プロジェクト」に取り組む。
(8)人権の諸問題(部落差別、障がい者差別、元ハンセン病患者の人権回復、民族差別、性差別、子どもの人権侵害等)に取り組む。
(9)セクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメントを教会の課題として受け止め、防止のための取り組みをはかる。
(10)国家と教会の関係において、「平和憲法」(日本国憲法9条)、基本的人権としての「信教の自由」(日本国憲法第20条)を守るための取り組みを推進する。
(11)政権交代によって、ますます国家主義的傾向を強め、自民党による新憲法草案等、憲法改悪の動きが強くなる状況にあって、平和を実現する者として見張りの務めを果たす。
(12)脱原発、核廃絶に取り組む。環境を守るための取り組みを図る。
(13)沖縄をはじめとする基地問題に取り組む。
(14)靖国・天皇制問題委員会、部落解放推進委員会、論憲ネットワークとの連携を図る。
(15)これまでの積み重ねに学びつつ、災害発生に備えて救援対策を研究・整備する。
(16)教区の機構を検証し、時代に適当した宣教体制を整える。
(17)教区教会婦人会連合と宣教協力を進める。
2.教師部における取り組み
(1)教師の直面している諸問題を取り上げる。
(2)研修会に多くの教師の参加を促し、参加しやすい条件を整えていく。
(3)教職家族の教育費互助「奨学金指定献金運動」を推進する。
(4)セクシャル・ハラスメント及びパワー・ハラスメントの防止を教師の課題として受け止め、防止のための検討をする。
3.財務部における取り組み
(1)諸教会・伝道所の充実と健全化を図りつつ、教区財政の安定を目指す。そのため資金の健全な運用を図る。
(2)教会財政と教区財政のかかわりについて理解を深めるために、「会計・書記役員研修会」を開催する。
(3)教団・教区の負担金の基礎資料となるため、年度報告C表の記入の正確性と周知の徹底を図ると共に、C表の精査に取り組む。
(4)教区予算の適正化を図り、負担金の軽減に努力する。
4.人事部における取り組み
(1)教区内諸教会・伝道所における人事異動の円滑化につとめる。
(2)人事部に依頼のあった任地斡旋に対応する。
5.常任委員会における取り組み
@会計監査委員会
教区会計のより適切な処理、整理、運用の実現につとめる。
A年度報告精査委員会
年度報告を精査し、より正確な記入と期日までの提出の実現をはかる。
6.常設委員会における取り組み
@宣教研究委員会
常置委員会より付託される諸課題を研究し、答申をまとめ、教区形成に寄与する。
A教区通信委員会
教区通信を編集・発行し、教区の活動を紹介・報告すると共に、各地区・教会・伝道所の歩みを反映させ、教区の連帯と主にある交わりをふかめる。
B教区社会保険委員会
教区内諸教会・伝道所の教師に関わる社会保険の加入その他の手続き、保険料の納付等の円滑化につとめる。また、配偶者を含め特定検診を案内に従って受けていただき、病気の早期発見の実現をはかりたい。
C部落解放推進委員会
「部落差別をなくすことをめざす関東教区基本方針」(1998年5月20日第48回教区総会にて可決)にもとづき、諸教会・伝道所が部落差別問題を福音宣教の課題として取り組むことができるように、啓発および研修を行なう。
『部落解放だより』を年間2回発行する。
教団部落解放センターの働きに連帯し、センター運営委員を派遣すると共に、部落解放センター活動献金に取り組む。
狭山事件の再審を求める運動に連帯、支援する。
D筑波キリスト教活動委員会(TCAC)
筑波キリスト教活動委員会(TCAC)の今後のあり方を模索し、つくばクリスチャンセンター(TCC)の維持・整備に努める。また、茨城YMCA活動に協力する。
E世界宣教委員会
宣教師の受け入れと交流、関係学校との連携、海外諸教会との交流等の窓口としての役割を果たす。
F靖国天皇制問題委員会
「靖国・天皇制問題」に関する情報を収集し、各教会・伝道所に伝達すると共に、課題と問題については常置委員会に提案する。ニュース『ONE』を発行する。
7.特設委員会における取り組み
@教会互助特別委員会
教区教会互助の充実と推進のために、ナルドの壺献金運動を継続すると共に、地区との連携を強める。あわせて、将来の互助のあり方を検討する。
A原理対策委員会
「6教区合同研修会」「被害者家族の会」等に委員を派遣し、他教区との連携も大切にしつつ、統一協会被害者救出活動に取り組む。
B在日大韓基督教宣教協力委員会
在日大韓基督教会関東地方会との交流・宣教協力を推進する。
C「関東教区日本基督教団罪責告白」小委員会
関東教区『日本基督教団罪責告白』が発行された資料集等で深まるように取り組む。
D「韓国基督教長老会京幾中部老会との交流」特設委員会
韓国基督教長老会京幾中部老会に5月30日(月)〜2日(木)訪問する。より良き交流訪問となるように努める。
E教区史編纂委員会
教区史中間報告を基にして、編纂作業を前進させる。
F大洗ベツレヘム教会に関する小委員会
大洗ベツレヘム教会との関係を検証し、どのような方向が望ましいかを求めたい。
G「新潟県中越地震・新潟県中越沖地震」被災教会・被災地支援委員会
引き続き、「新潟県中越地震」による被災教会への支援に取り組む。また、「東日本大震災」被災支援委員会との関連性を検討する必要もあるため、「災害被災支援委員会」(仮称)等の可能性も検討する。
H「論憲ネットワーク」特設委員会
憲法前文、9条、20条を守るという立場を明確にし、平和を実現するために、教会内外の人々と連帯して取り組む。
I教団年金に関する小委員会
一人でも多くの教職が、「教団年金」へ加入できるように、また加入継続ができるように支援に取り組む。更に、未加入教職の加入理解を教職個人、各教会・伝道所へ求めてゆく。また、謝恩日献金への取り組みを推進する。
J「東日本大震災」被災支援委員会
(1)被災教会の会堂ならびに牧師館の再建に全力を挙げて取り組む。また、アジア学院や教会関係施設(幼稚園・保育園)の再建にも同様に取り組む。
(2)東北教区、奥羽教区へのボランティアを継続して派遣し、被災地への支援に取り組む。
(3)3月11日の被災日に近い主日を「『東日本大震災』被災教会・被災地を覚える主日」とし、諸教会・伝道所の午前中の礼拝において震災からの復興を祈る。また、震災発生の日を覚えて教区主催の記念礼拝を守る。
(4)放射能汚染問題への取り組みを、宣教部と共に取り組む。共に学び、諸課題を共に担う。
(5)以上の他、都度必要とされる支援に、柔軟に弾力的に取り組む。
8.その他の取り組み
下記の課題に関しては、常置委員会が各部・各委員会と連携しつつ取り組む。
(1)教区内諸教会・伝道所が担っている問題や展望を、教区が共有するために努力を続ける。
(2)日本基督教団と沖縄キリスト教団との合同の実質化を宣教の課題として検討する。
(3)第48回教区総会決議「教団名称変更」議案を深め、関東教区「日本基督教団罪責告白」が教区内諸教会・伝道所の告白として深まるように努める。
(4)「二種教職制(正・補)」「補教師の聖礼典執行」「聖餐問題」「結婚式文」「セクシャルマイノリティー」「セクシャル・ハラスメント及びパワー・ハラスメントの防止」等の今日の諸問題・課題を担いつつ理解を深める。
(5)教団問題協議会を開催する。
(6)教団財政の現状を理解し、健全化に努める。(教団財政、年金問題、教区間財政格差の問題)
(7)教団関係学校、諸団体との協力をすすめる。
(8)隠退教師を支える運動を推進する。
2015年度の活動方針
2016年3月11日(金)午後1時半より「関東教区東日本大震災被災5周年記念礼拝」がアジア学院を会場に捧げられた。被災直後から地域の方々と共に歩まれ、教区・教団、世界中の教会の祈りの中で再建したアジア学院オイコスチャペルで、被災地・被災された方々と被災教会へ思いを向けると共に、今も続く復興の取り組みを覚え、祈りを合わせた。この第66教区総会期においても、引き続いて関東教区は被災支援に全力をあげて取り組んでいく。特に間もなく再建工事が完成する水戸中央教会のために祈りを合わせると共に、被災教会の再建工事後の課題を共有し、共に歩み続けたい。また東北教区の取り組むエマオへのボランティア派遣に引き続き取り組む。さらに諸教会・伝道所の簡易耐震診断の支援を行う。これらの課題のために昨年秋に再開した教区東日本大震災支援献金を活用する。各教区総会へ代表者を派遣して感謝の報告をすると共に、5年という時の経過の中で被災の事柄が風化されていく現実の中、脱原発を含め、被災教区として風化させない取り組みを継続していきたい。
昨年9月の東北・関東豪雨で被災した水海道教会と付属施設の再建は、こども園から始まり、今年度、教会・牧師館の取り組みが始まる。教区から全国の教会に呼びかけた支援献金が有効に用いられ、復興が進むように、教区として祈りを合わせたい。また同水害では茨城地区がボランティアセンターに取り組まれた。これまで教区・地区が数々の被災と向き合う中で取り組んできた経験を活かし、複数ある教区の支援委員会を集約して、各地区との支援ネットワークを築き、今後起こりうる自然災害に備えたい。
《30年を経たナルドの壺献金推進による互助》
ナルドの壺献金」運動は教区互助と協力伝道として30年間取り組まれてきた。2015年度は目標額1,200万円に対して99.8%達成の11,971,819円が献げられた。教会会計のひっ迫した状況の中、さらに「東日本大震災」と「東北・関東豪雨」被災支援という課題のある中でこの献金が献げられたことは、「ナルドの壺献金」に対する教区内諸教会・伝道所の熱い思いのゆえである。関東教区の「連帯の証し」は力強い。今年度も目標額を1,200万円とした。この献金が満たされ、謝儀互助をはじめ、緊急互助、教団年金互助、退職金互助を通して互助と伝道協力が豊かに行われることを祈りたい。また災害等の緊急謝儀互助であるナルド基金を充実させたい。30年の取り組みを検討しつつ献金運動をさらに推進する取り組みをしたい。ナルド隊等の復活は祈りである。ナルド教会を囲んでの協議会や人的交流も課題である。また互助教会・互助額の増加の中で、より有効に用いられるように互助規則を検討したい。「ナルドの壺献金」は関東教区の教会・伝道所の連帯の証しである。これからも主にあって一つという連帯の灯を燃やし続けよう。
《伝道資金の活用》
2年目となる伝道資金は、450万円余を拠出し、400万円を受ける。昨年同様、教区負担金に上乗せすることはせず、できる限りこれまでの会計支出に当てはめる。さらにこの資金を用いて教区教会協力費を充実させ、小規模教会・伝道所の伝道計画の支援のために用いる。また各地区の計画する重点伝道を支援する。さらに青年・信徒育成等に用い、実りあるものとしたい。
《諸教会・伝道所の課題を共に担う》
感謝なことに教区ではこの数年で新たな伝道所がいくつも生み出されてきた。伝道の拠点となる教会の誕生のために教区として祈り、伝道が推進されるために力を合わせたい。その一方で、様々な伝道の課題を抱え、うめいている教会・伝道所も多い。この10年を比較するとの教勢(現住陪餐会員・礼拝出席・教会学校・経常会計)の低下が著しい一方、祈祷会出席と一人あたりの献金額は下がっておらず、信徒一人一人が教会を祈り支えていることが分かる。教会の高齢化と言われる中で、長年教会を支え続ける信徒の証しに励まされる。そのような現実の中での諸教会・伝道所の伝道と伝道計画を共に祈り求めたい。また教区や地区がなすべき伝道協力を共に模索したい。加えて活動実態のない教会・伝道所を合併、廃止等で整理することにも引き続き取り組む。その取り組みを通して、その地域の伝道の歴史が覚えられることを願う。今年度も教区として御心を求めつつ取り組みたい。
《青年・子ども伝道》
青年の減少が叫ばれる中、教区で様々な青年伝道・交流プログラムが取り組まれている。KKSキャンプや青年の集いに加え、雪堀りキャンプにも青年たちが奉仕した。また子どもたちへの信仰継承の課題も教区の中で取り組まれている。さらに韓国基督教長老会京畿中部老会との青年・信徒プログラムの実現を含め、青年たちを国内外の教会プログラムに派遣することにも取り組む。次の世代の信仰の成長のために祈りを合わせよう。
《教区の多様性を活かしつつ、覚え合って》
関東教区は、日本海側から太平洋側までに渡る広さと、様々な地域特性や伝統を持っている。都市伝道、農村伝道、新興住宅地の伝道、過疎地の伝道、島の伝道、被災の中での伝道、豪雪地の伝道・・・。その中で一つ一つの教会・伝道所はそれぞれの宣教の課題を与えられつつ、懸命に伝道に取り組んでおられる。この多様さを恵みと受け止める。私たちが互いの教会の取り組みを紹介し合い、また問安し、互いにキリストの体として形作られていくために祈り合っていきたい。またそのために今年度から正式にスタートする教区ホームページや教区お祈りカレンダーを活用し、互いに覚え合い、学び合いたい。加えて世界の諸教会とのつながりを覚えつつ、韓国基督教長老会京畿中部老会との交流、在日大韓基督教会との宣教協力、また教区内の宣教師との交流を大切にしたい。
《罪責告白》
「関東教区『日本基督教団罪責告白』」は、資料集が発行され、諸教会・伝道所、また他教区でも覚えられている。3月には沖縄を有志で訪問し、罪責告白を共に分かち合う時を持った。さらに内容が深められるように取り組むと共に、秋の教団総会に向けて、教団全体でも用いられることを祈ってゆきたい。安保法制化によって私たちの国がさらに「戦争ができる国」となり、国家主義的、憲法改悪に向かう中、罪責の視点に立ち、預言者としての務めに仕えたい。
《教団の諸問題》
教団の諸問題については、関東教区内においては様々な意見があるのが現実である。ゆえに、時間をかけた丁寧な対話を基本におく。教区は直接顔と顔を合わせる場であることを重んじ、キリストの体として互いに聞き合い、違いを豊かさとして認め合うことを大切にしたい。教区の議論が激しさを増すことによって、対立や分裂が生み出されることは望まない。
《世のための教会として》
私たちを取り巻く社会情勢は依然厳しく、その厳しさにはじかれて救いを求めて叫ぶ声があふれている。狭山事件再審の実現、沖縄の辺野古基地移設問題やヘイトスピーチ等、私たちも問われている。その声に耳を傾け、応えることのできる教会となるために、教区も祈り、取り組みたい。
《宗教改革500年》
2017年10月に宗教改革500年を迎える。その時を教区としてどのように迎えるかを1年かけて協議したい。なお教区史の編纂も継続している。これからの伝道につながる時としたい。
1.宣教部における取り組み
(1)ナルドの壺献金運動の推進をはかる。
(2)教会・伝道所の福音宣教を支援する。
(3)東日本大震災被災地・被災教会、アジア学院等の復興支援に取り組むと共に、原発問題を宣教の課題の一つと位置づけて、「原子力発電からの脱却を求める関東教区声明」に基づき、脱原発に取り組む。教区「東日本大震災」被災支援委員会と連携し、ボランティア派遣等に取り組む。
(4)関東教区の宣教を考える集い(宣教綜合協議会)を開催する。
(5)新たに関東教区に着任された教師の「新任教師オリエンテーション」を開催する。
(6)『宣教部だより』『ナルド通信』『ナルドの壺献金Q&A』を発行する。「ナルドマップ」「ナルドの壺」を作成する。
(7)教区K.K.S.(教会、高校生、青年)キャンプ、五地区青年の集い、社会活動協議会、開拓伝道協議会、教会関係乳幼児施設保育者協議会を開催する。また、新たに「青年・信徒育成プロジェクト」に取り組む。
(8)人権の諸問題(部落差別、障がい者差別、元ハンセン病患者の人権回復、民族差別、性差別、子どもの人権侵害等)に取り組む。
(9)セクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメントを教会の課題として受け止め、防止のための取り組みをはかる。
(10)国家と教会の関係において、「平和憲法」(日本国憲法9条)、基本的人権としての「信教の自由」(日本国憲法第20条)を守るための取り組みを推進する。
(11)政権交代によって、ますます国家主義的傾向を強め、自民党による新憲法草案等、憲法改悪の動きが強くなる状況にあって、平和を実現する者として見張りの務めを果たす。
(12)脱原発、核廃絶に取り組む。環境を守るための取り組みを図る。
(13)沖縄をはじめとする基地問題に取り組む。
(14)靖国・天皇制問題委員会、部落解放推進委員会、論憲ネットワークとの連携を図る。
(15)これまでの積み重ねに学びつつ、災害発生に備えて救援対策を研究・整備する。
(16)教区の機構を検証し、時代に適当した宣教体制を整える。
(17)教区教会婦人会連合と宣教協力を進める。
2.教師部における取り組み
(1)教師の直面している諸問題を取り上げる。
(2)研修会に多くの教師の参加を促し、参加しやすい条件を整えていく。
(3)教職家族の教育費互助「奨学金指定献金運動」を推進する。
(4)セクシャル・ハラスメント及びパワー・ハラスメントの防止を教師の課題として受け止め、防止のための検討をする。
3.財務部における取り組み
(1)諸教会・伝道所の充実と健全化を図りつつ、教区財政の安定を目指す。そのため資金の健全な運用を図る。
(2)教会財政と教区財政のかかわりについて理解を深めるために、「会計・書記役員研修会」を開催する。
(3)教団・教区の負担金の基礎資料となるため、年度報告C表の記入の正確性と周知の徹底を図ると共に、C表の精査に取り組む。
(4)教区予算の適正化を図り、負担金の軽減に努力する。
4.人事部における取り組み
(1)教区内諸教会・伝道所における人事異動の円滑化につとめる。
(2)人事部に依頼のあった任地斡旋に対応する。
5.常任委員会における取り組み
@会計監査委員会
教区会計のより適切な処理、整理、運用の実現につとめる。
A年度報告精査委員会
年度報告を精査し、より正確な記入と期日までの提出の実現をはかる。
6.常設委員会における取り組み
@宣教研究委員会
常置委員会より付託される諸課題を研究し、答申をまとめ、教区形成に寄与する。
A教区通信委員会
教区通信を編集・発行し、教区の活動を紹介・報告すると共に、各地区・教会・伝道所の歩みを反映させ、教区の連帯と主にある交わりをふかめる。
B教区社会保険委員会
教区内諸教会・伝道所の教師に関わる社会保険の加入その他の手続き、保険料の納付等の円滑化につとめる。また、配偶者を含め特定検診を案内に従って受けていただき、病気の早期発見の実現をはかりたい。
C部落解放推進委員会
「部落差別をなくすことをめざす関東教区基本方針」(1998年5月20日第48回教区総会にて可決)にもとづき、諸教会・伝道所が部落差別問題を福音宣教の課題として取り組むことができるように、啓発および研修を行なう。
『部落解放だより』を年間2回発行する。
教団部落解放センターの働きに連帯し、センター運営委員を派遣すると共に、部落解放センター活動献金に取り組む。
狭山事件の再審を求める運動に連帯、支援する。
D筑波キリスト教活動委員会(TCAC)
筑波キリスト教活動委員会(TCAC)の今後のあり方を模索し、つくばクリスチャンセンター(TCC)の維持・整備に努める。また、茨城YMCA活動に協力する。
E世界宣教委員会
宣教師の受け入れと交流、関係学校との連携、海外諸教会との交流等の窓口としての役割を果たす。
F靖国天皇制問題委員会
「靖国・天皇制問題」に関する情報を収集し、各教会・伝道所に伝達すると共に、課題と問題については常置委員会に提案する。ニュース『ONE』を発行する。
7.特設委員会における取り組み
@教会互助特別委員会
教区教会互助の充実と推進のために、ナルドの壺献金運動を継続すると共に、地区との連携を強める。あわせて、将来の互助のあり方を検討する。
A原理対策委員会
「6教区合同研修会」「被害者家族の会」等に委員を派遣し、他教区との連携も大切にしつつ、統一協会被害者救出活動に取り組む。
B在日大韓基督教宣教協力委員会
在日大韓基督教会関東地方会との交流・宣教協力を推進する。
C「関東教区日本基督教団罪責告白」小委員会
関東教区『日本基督教団罪責告白』が発行された資料集等で深まるように取り組む。
D「韓国基督教長老会京幾中部老会との交流」特設委員会
韓国基督教長老会京幾中部老会に5月30日(月)〜2日(木)訪問する。より良き交流訪問となるように努める。
E教区史編纂委員会
教区史中間報告を基にして、編纂作業を前進させる。
F大洗ベツレヘム教会に関する小委員会
大洗ベツレヘム教会との関係を検証し、どのような方向が望ましいかを求めたい。
G「新潟県中越地震・新潟県中越沖地震」被災教会・被災地支援委員会
引き続き、「新潟県中越地震」による被災教会への支援に取り組む。また、「東日本大震災」被災支援委員会との関連性を検討する必要もあるため、「災害被災支援委員会」(仮称)等の可能性も検討する。
H「論憲ネットワーク」特設委員会
憲法前文、9条、20条を守るという立場を明確にし、平和を実現するために、教会内外の人々と連帯して取り組む。
I教団年金に関する小委員会
一人でも多くの教職が、「教団年金」へ加入できるように、また加入継続ができるように支援に取り組む。更に、未加入教職の加入理解を教職個人、各教会・伝道所へ求めてゆく。また、謝恩日献金への取り組みを推進する。
J「東日本大震災」被災支援委員会
(1)被災教会の会堂ならびに牧師館の再建に全力を挙げて取り組む。また、アジア学院や教会関係施設(幼稚園・保育園)の再建にも同様に取り組む。
(2)東北教区、奥羽教区へのボランティアを継続して派遣し、被災地への支援に取り組む。
(3)3月11日の被災日に近い主日を「『東日本大震災』被災教会・被災地を覚える主日」とし、諸教会・伝道所の午前中の礼拝において震災からの復興を祈る。また、震災発生の日を覚えて教区主催の記念礼拝を守る。
(4)放射能汚染問題への取り組みを、宣教部と共に取り組む。共に学び、諸課題を共に担う。
(5)以上の他、都度必要とされる支援に、柔軟に弾力的に取り組む。
8.その他の取り組み
下記の課題に関しては、常置委員会が各部・各委員会と連携しつつ取り組む。
(1)教区内諸教会・伝道所が担っている問題や展望を、教区が共有するために努力を続ける。
(2)日本基督教団と沖縄キリスト教団との合同の実質化を宣教の課題として検討する。
(3)第48回教区総会決議「教団名称変更」議案を深め、関東教区「日本基督教団罪責告白」が教区内諸教会・伝道所の告白として深まるように努める。
(4)「二種教職制(正・補)」「補教師の聖礼典執行」「聖餐問題」「結婚式文」「セクシャルマイノリティー」「セクシャル・ハラスメント及びパワー・ハラスメントの防止」等の今日の諸問題・課題を担いつつ理解を深める。
(5)教団問題協議会を開催する。
(6)教団財政の現状を理解し、健全化に努める。(教団財政、年金問題、教区間財政格差の問題)
(7)教団関係学校、諸団体との協力をすすめる。
(8)隠退教師を支える運動を推進する。
2015年度の活動方針