報告:第74回関東教区総会 (2024年)
 5月29日(水)・30日(木)にわたり、ソニックシティ小ホールにて第74回関東教区総会が開催されました。予定されていた議案は全て承認・可決されました。また総会において、教団総会議員(教師14名・信徒14名)が選出されました。選挙結果は報告の最後に掲載されています。

(29日、1日目)

 まず開会礼拝が行われ、 臂奈津恵師(ひじ なつえ、群馬・渋川)が説教をされました。 臂 師が現在仕えておられる渋川教会の開拓と、新島学園の設立にも関わった栗原陽太郎師は、文書伝道にも尽力し、彼の「種を蒔く人」という伝道誌の表紙にはミレーの「種を蒔く人」が描かれていたとのことです。伝道は詩編126編の「涙と共に種を蒔く人」というように「苦しい」働きであることがよく強調されますが、ヨハネによる福音書4章35〜36節では主イエスが種を蒔いた時には既にそこに喜びがあることを伝えています。伝道は大きなスケールによってなされる神様の出来事であることを覚えつつも、成長させてくださる神様が共におられることを信じ、信徒も教師も同労者として「共に喜びながら」伝道をしていきましょうとの励ましを受けました。今回は、開会礼拝の中で佐藤泉師(群馬・泉町)の司式と、長谷川直紀師(群馬・桐生)の補助によって聖餐式が行われました。以前のレイボックホールではホール内での飲食が禁止の為、聖餐式が行えませんでした。今回は総会の場で聖餐式を執り行うために、会場を飲食が可能なソニックシティ小ホールに戻したとのことでした。コロナ禍以降、このように関東教区の諸教会が集い、聖餐に共に与る時が与えられたことは恵みでした。

 礼拝後は、組織会、そして258名中168名が出席で定足数を満たしていることが宣言されました。今期の教会記録審査を各地区委員会に委託する件が可決されました。コロナ禍以降、密を避ける為に作業が長時間にわたる教会記録の審査は、教区総会の一日目の夜ではなく、それぞれの地区にて各教会の役員会・総会記録受け止めて、地区ごとに記録審査が行われています。今年もこのやり方を継続することとなりました。その後2024年度における新任教師として、安部勉師(群馬・高崎)、寒河江健師(新潟・十日町)、佐藤嘉哉師(埼玉・深谷)、竹花牧人師(栃木・小山)、野間光顕師(新潟・教務、敬和学園高校)、筒井昌司師(茨城・下館)、伊丹美貴師(茨城・下館)が紹介されました。

 昼食の休憩を挟んで、来賓の紹介がありました。在日大韓基督教会関東地方会から金容昭師、教団問安使として教団書記の黒田若雄師、教団年金局から中川義幸理事長、隠退教師を支える会から関東教区推進委員の山本安生議員(茨城・鹿島)、教団出版局から吉岡光人師(吉祥寺)、部落解放センターから飯塚拓也理事がそれぞれ紹介されました。来賓紹介では、特に、教団年金を支えるために全国から4000万円の謝恩日献金と5200万円の隠退教師を支える運動の献金がささげられたことへの感謝が述べられ、教会担任教師の四分の一が教団年金に未加入であることについて、教師全員の加入をお願いしたいとのアピールがありました。また、教団出版局からは厳しい経営状況が伝えられ、文書伝道の使命をこれからも継続することができるように、まずは信徒の友の定期購読を各教会で勧めていただきたいとのことでした。

 2023年度をもって隠退された教師として、高橋悦子師(前 桶川)、小林眞師(前 岩槻)、法亢聖親師(前 深谷)、小池与之祐師(前 神の愛キリスト)が紹介されました。また、関東教区で25年目を迎えた教師としてア正芳師(栃木・鹿沼)、佐藤泉師(群馬・泉町)、三村修師(新潟・佐渡)、田中かおる師(埼玉・安行)が紹介されました。これらの隠退教師、牧会25年目を迎えた教師を覚えて、熊江議長が感謝の祈祷をしました。続いて関東教区内の関係学校・団体からの報告がありました。東京聖書学校、敬和学園、アジア学院、聖学院大学、新島学園、共愛学園からそれぞれ報告と挨拶がありました。諸学校・団体の働きを覚えて、田中かおる副議長が祈りました。

 今総会では、議長の熊江秀一師の司式のもと准允式の執行が可決され、大下陽子師の准允式が執り行われました。その後、大下陽子師による所信表明がなされました。大下陽子師は益子教会(栃木)に担任教師として就任予定です。お働きが祝されますようお祈りいたします。

 田口昇議員(新潟・東中通)の祈祷によって議事が再開となり、167名の出席でした。2023年度教区諸報告承認に関する件が上程されました。議長報告と質疑がなされ、その後に教団総会議員選挙の予備選挙がなされました。選挙方法について、議案では教師・信徒それぞれ14名連記の投票となっていたのに対して半数連記の修正動議が出され、賛同者もあり、賛成と反対の意見交換がなされ、無記名投票による採決の結果、投票総数の175の内、72が賛成、93が反対、10が白票となり、半数連記の修正案は否決されました。本選挙の選挙結果は報告の最後に掲載いたします。

 常設委員会・特設委員会報告、各部報告(宣教部報告を含む)、常任委員会報告、各地区報告がなされ、それらの質疑の後に議長報告も含めて、報告審査委員会・財務審査委員会に回付されました。また、2023年度教区一般会計決算承認の件が上程され、会計監査報告がなされ、適正に処理がなされていることが報告されました。以上の報告が財務審査委員会に回付されました。 

 1日目の17:00からは「教区のこれから〜財政と宣教の取り組み」と題して協議会が行われました。3名の発題者が登壇し、発表と協議が行われました。
 まずは教区財務部委員長の相原考至議員によって年度報告書のデータに基づいて関東教区内の教勢(現住陪餐会員数)や教区経常支出の推移、経常支出における謝儀の割合、教会規模ごとの一人の年間献金総額等がグラフ化され分析されて提示されました。「会員数の小さい教会・伝道所が並々ならない努力をして、教会を守っている」姿が明らかになる内容でした。2022年度の日曜日ごとの平均礼拝出席者数は3035人であり、これから謝儀互助を受ける教会が増えることを想定して、一人が謝儀互助(ナルドの壺献金)に月々500円をささげれば年間1821万円をささげることといった提案、次世代に施行を伝えていく方策検討の必要性も訴える内容でした。

 次に常置委員の横板幸子議員からは自身の体験から、新潟教会で行われている「子どもと大人がともに守る礼拝」や親子で礼拝に参加する際に抱えていた状況が共有されました。礼拝の中に子どもたちを迎えるということに関して、難しい課題としてではなく、自然な本来のあるべき形として捉えていて、「子どもたちは大人の信仰を見たいのです。」という訴えが印象的でした。

 最後に宣教部委員長の飯塚拓也師からは、東北教区会津地区において二人の教師が四教会を同時に牧会するという「共同牧会」の例を挙げて、一教会・一教師(各教会での教師招聘)が難しくなるかもしれないこれからの時代の連帯の形について発題があった。教師謝儀互助に留まらない宣教協力のありかたとして、教師の生活を守ることを重要にしつつも、「礼拝の群れを守る」ことに力点をシフトしていった例が語れました。現在、関東教区の宣教部でも栃木地区県北において、西那須野教会をオブザーバーとして、矢板教会、那須塩原伝道所、塩谷一粒教会、氏家教会の間で新しい宣教協力の仕方を模索しており、まずは6月第5週に講壇交換をすることになっていることが共有されました。

 協議会後は夕食となり、夕食と並行して議案整理委員会、建議請願審査委員会が行われました。
 夕食後は、2024年度の関東教区活動方針に関する件が田中かおる副議長から上程され、質疑の後に可決しました。1日目は手束信吾(茨城・水海道)議員の祈祷によって終えました。この後、財務審査委員会、報告審査委員会が行われました。

(30日、2日目)

 佐治範子議員(埼玉・大宮)の祈祷により議事が再開となり、134名の出席でした。特別委員会報告(議案整理委員会報告、報告審査委員会報告、財務審査委員会報告、建議請願審査委員会)があり、承認されました。また、2日目の午前には、前日の教団総会議員(教師・信徒)の予備選挙の結果を受けての本選挙が行われて、2024年度関東教区宣教部活動計画が上程されました。教団問安使の黒田若雄師(教団総会書記)によって教団議長挨拶の朗読と説明、そして質疑が行われました。議長挨拶は、日本基督教団のキリストの体としての「一体性」の本質と、各個教会にとっての「全体教会」としての役割が強調された内容でした。

 昼食の後、午後は副議長の田中かおる師の司式により、逝去者追悼礼拝が執り行われました。関東教区内で逝去された信徒、教師、最終任地が関東教区であった教師の名前が読み上げられ、「わたしたちの本国は天にあります。」(フィリピの信徒への手紙3章20節)が読まれた後、追悼の祈りがささげられました。

 追悼礼拝の後は、岡庭孝子議員(埼玉・埼玉新生)の祈りによって議事が再開され、134名の出席でした。2024年度関東教区宣教部活動計画、の質疑が行われ、可決されました。また、2024年度教師部活動計画が上程され質疑の後、可決されました。教師部からは、2024年度の教師研修会が10月21日(月)から22日(火)にかけてアジア学院を会場として予定されていることがアピールされました。

 2024年度教区一般会計予算案、2024年度教区負担金割賦案が上程され、質疑の後に可決されました。この際、収入の部の教会負担金予算額が前年度比で2%の減額で組まれている旨が話されました。また質疑の際に、教区書記から補足があり、関東教区教会負担金割賦方式 I+II+IIIにおいて、Iは経常支出における謝儀の割合(謝儀の割合が高い方が負担金は少なくなる)、IIは経常収入における献金(現住陪餐会員が少ないほど、負担金は少なくなる)、IIIは経常収入と経常支出の差額(少ないほど、負担金は少なくなる)が金額に影響する要因であるとの説明でした。また、各教会の負担金額の増減について、「前年度比±15%を限度とする」という規定が、第71回教区総会議案第17号「関東教区総会負担金の誤差修正に関する件」の可決によって「2022年より数年の間、上限を25%以内として、下限を撤廃する」に変更となっているとの説明を受けました。

 教団総会議員の本選挙の結果(教師14名、信徒14名)が発表され、信徒議員の次点4位と次点7位が同点となったため、くじ引きにより順位が決められました(選挙結果は報告の最後に掲載いたします)。選出された議員の働きを覚えて、村田元議員(群馬・群馬町)が祈祷をされました。今回の選挙の投票の開票作業のために奉仕をしてくださった大宮教会、上尾合同教会、埼玉新生教会の信徒の方々が紹介され、拍手をもって感謝の意を表しました。

 その後、報告審査委員会報告、財務審査委員会報告に回付されていた、教区諸報告承認の件が再度上程され、議長報告、常置員会・特設委員会、各部報告、常任委員会報告、各地区報告が承認されました。この際、「関東教区日本基督教団罪責告白」小委員会の町田さとみ委員長から「関東教区罪責告白」を学ぶ会について会の趣旨について紹介がありました。また、同じく財務審査委員会に回付されていた2023年度一般会計決算承認の件が上程され、承認されました。

 秋季按手礼執行に関する件が上程され、可決されました。按手礼は教会・伝道所、教師からの申し出があった場合に、教区総会はその承認を常置委員会に委任し、准允式は按手礼が執行された場合に限り執り行われます。

 「ナルドの壺献金」推進の件が上程され、2024年度も1200万円を献金目標額とすることが上程されて、質疑の後、可決されました。地区総会時点では未だ目標額1200万円を達成していませんでしたが、教区総会への2024年度報告書作成の段階で11,383,473円がささげられたとのことでした。教育費互助奨学金指定献金推進に関する件(2024年度の献金目標額を50万円とすること)、「会堂・牧師館建築支援基金」献金の推進の件(2024年度の献金目標額を100万円とすることまたすること)、が上程され、質疑がなされて、可決しました。宣教における一致と連帯の証しとしてささげられた、これらの皆様の献金とお祈りに感謝いたします。

 また「2024年度教団部落解放センター活動献金」推進の件、2024年度の献金目標額を35万円とすることが上程され、可決されました。部落解放センターの飯塚理事からは、教団部落解放センターは部落差別は福音に反するという決意表明のもとに活動しており、センター職員は教団職員として給与が与えられているが、活動自体は献金によって支えられている旨の説明がありました。

 第74回教区総会議事録の承認を常置委員会に委ねる件が上程され、可決されました。また、第75回教区総会開催に関する件が上程され、可決されました。次回の教区総会は2025年5月20日(火)〜5月21日(水)の日程で、ソニックシティ小ホールにて、会場担当は埼玉地区で行われることとなりました。

 最後に田中かおる副議長によって2024年度関東教区活動方針に掲げられた聖句であるマタイによる福音書28章19〜20節、同じくマタイ5章13〜14節が朗読され、祈祷によって閉会となりました。問安使の黒田若雄師、会場担当を担った群馬地区の委員長の川上盾師からそれぞれ挨拶があり、群馬地区の教師・信徒の方々に拍手によって感謝の意を表して解散となりました。
  主が新しい関東教区の宣教の働きと歩みを祝し導いてくださいますようお祈りいたします!

【教団総会議員選挙結果】
教師  
1.熊江秀一 (埼玉・大宮)
2.小池正造 (新潟・東新潟)
3.町田さとみ (埼玉・初雁) 
4.栗原 清  (埼玉・武蔵豊岡)  
5.田中かおる (埼玉・安行) 
6.成田顕靖 (茨城・日立)
7.武田真治 (埼玉・上尾合同)
8.片岡宝子 (新潟・東中通)
9.嶋田恵悟 (茨城・土浦) 
10.佐野明子 (栃木・塩谷一粒) 
11.新保能宏 (新潟・新発田)
12.須賀 工 (埼玉・越谷)
13.飯塚拓也 (茨城・竜ケ崎)
14.長谷川直紀 (群馬・桐生)

信徒 
1.半田香代子 (群馬・原市)
2.金刺英雄 (埼玉・上尾合同) 
3.豊川昭夫 (埼玉・越谷) 
4.グラハム里美 (埼玉・聖学院) 
5.栗原初音 (埼玉・浦和別所)
6.佐久間文雄 (埼玉・志木)
7.佐治範子 (埼玉・大宮)
8.中松聖美 (埼玉・武蔵豊岡)
9.國吉常喜與 (栃木・宇都宮上町)
10.富永研司 (茨城・日立) 
11.冨田信也 (埼玉・大宮) 
12.服部利明 (茨城・筑波学園)
13.川村雅保 (埼玉・岩槻)
14.荒川朋子 (栃木・西那須野)
報告:疋田義也(本庄教会牧師、埼玉地区ホームページ委員)



 
 開会礼拝で説教をする臂 奈津恵牧師(渋川教会)


 
議長団。左から小池書記、熊江議長、田中副議長。


 

2024年度に関東教区に赴任された新任教師紹介




 
来賓者紹介


 
 

 隠退教師紹介


 

 関東教区で牧会25年を迎えた先生の紹介


 

 関係学校紹介


 

准允を受けた大下陽子教師


 
 

 問安使の黒田若雄教団書記




 
 会場の様子




 
会場の様子2


 
 


 会場の様子3



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