新潟地区被災支援担当の長倉先生より以下の情報をいただきました。
8月7日(日)に被災支援担当の玉置牧師(長岡教会)と神崎牧師(新潟教会)、そして現地の池田牧師(村上教会)の案内で、8月3日に新潟県を襲った「記録的短時間大雨」によって被害を受けた村上周辺の地域を、特に高根集落を中心に問安しましたので、報告いたします。
日程と参加者は上記の通り、道程は以下の通りです。
【行程】村上教会礼拝出席→新潟教会員宅訪問(新潟教会員と懇談)→高根集落(村上いずみ園保育士と懇談)→東岸寺(野田尚道和尚と懇談)→坂町集落
【村上教会と認定こども園】
村上教会とこども園の建物、教会員宅に大きな被害はありませんでした。
(断水が続いている地域にある教会員のお宅もありましたが、幸い家に井戸が4か所もあり、近隣の方たちに水を自由に使ってもらっておられました)
ただ、付属のこども園「村上いずみ園」の職員の方たちのお宅(3名、保育士、調理員、バス運転手)と園児のお宅(1名)が浸水被害を受けました。
【新潟教会員宅訪問】
笹川流れに通じる海沿いの道を通り、馬下にいらっしゃる新潟教会員宅を訪問しました。
河川が近くにない場所でしたが、水害というよりは土砂崩れの心配から、集落一帯で、8月3日は近隣の小学校に避難して一晩を過ごしたとのこと。
また、今回の水害の特徴ですが、短時間に大量の雨が降ったために、河川の氾濫だけでなく、山の森林も水を受け止めきれず、山側からも鉄砲水のように水が襲ってきたとのこと。馬下の海岸道路では、山からの洪水を受けて、海に面した道路わきの防波堤が、海側に剥がれ落ちて崩落しているのを目撃しました。
(他の地域でも同様に山からの洪水被害の話を伺うこととなりました。)
【高根集落】
役員会を終えた池田純平牧師と合流し、被害を受けたこども園職員のうちの2名の方がお住まいの、村上市中心部から20キロほど北東の山間部にある「高根集落」を訪問しました。メディアなどでは荒川の氾濫が取り上げられる一方、山間部の朝日地区は注目されていないものの、高根集落では断水が続き復旧のめどが立たない、また、(マスコミなどで注目されている)荒川河口の坂町駅周辺には社協のボランティアが入り始めたが、高根集落はかなり山間にあるために村上市のボランティアがあてにできず、集落独自でボランティアセンターを開設している、との話を受けての訪問でした。
高根集落でもやはり、高根川の氾濫と山からの水による被害があったとのこと。床上浸水している家からは、畳や荷物が運び出され積み上げられていました。また、もうこの集落に住んでいない空き家も、集落の人たちが協力して畳や濡れた家具等が運び出されていました。
村上いずみ園の保育士さんのお宅に10リットルの水を10袋お届けしました(「大洋盛」という日本酒で有名な大洋酒造が仕込みのために使っている水が普段から無料で給水できるようになっているため、その仕込み水をお持ちできました)。生活用水としては山から水が常時流れ出る貯水マスのようなものがお宅のすぐわきにありましたが、飲用には適さないので、断水で困っているとのこと。役場(実は、行政の役場ではなく、地域の公民館)に給水車が来るものの、独り暮らしのお年寄りの方たちにとっては、そこから自宅に水を運び、家に上げるのも困難だ、とのこと。お渡しした水については「この水、近所の高齢の方のお宅や、役場にもっていって、みなさんにもお分けしていいですか?」と喜びと共にご提案くださいました。
集落で立ち上げたボランティアセンターをお尋ねして、センター長の方のお話を伺ったところによると、このあたり一帯は高根川の伏流水をくみ上げて山の上にあるタンクに上げ、そこから各家庭に水道水として配給しているが、高根川の氾濫により吸水施設が破壊されてしまい、断水が起こっている。施設復旧については、数か月先になる恐れもある、とのことでした。お話を伺った後、わざわざ破壊された吸水施設までご案内くださいました。施設どころか、川岸の形がかわるくらいごっそり削られていました。
また、このボランティアセンターは、土日祝日のみ9時〜16時に働きを限定しているとのこと。今の懸念は、側溝などあらゆるところが泥で埋まっているため、また雨が降ったときに、水をはけることができず洪水状態が再現することだ、とのことで、被害を受けた家の片づけの他、集落の側溝などの泥かきをしているとのことでした。
さらに、被害としては、沢から水を弾いていた、集落の周囲の水田(棚田)への水の供給が途絶えてしまっているとのこと。稲にとって一番水が必要な時期なだけに、大変心配されていました。
ただ、先ほどの「このお水を分けてもいいですか?」との保育士さんの発言が象徴するように、集落自体が、高齢者だけでなく、若い人たち、小さな子供たちもおり、お互いに協力し合って、生き生きしている感じが姿が印象的でした。
自分たちで観光用PRサイトも運営しており、この集落に対する愛着を感じられます。このサイトを見て、「自分たちでボランティアセンターを立ち上げるのも、納得!」とそのバイタリティに感動しました。実際に、池田牧師もツイッターを通して高根集落のボランティアセンターの働きを知ったとのこと。池田牧師は8月11日(休)にボランティアに応募されています。
余談ですが、災害時は突然すごい働きができるようになるわけではなく、普段からの繋がりが、災害時に力を発揮するのだということを、被災支援を通してずっと教えられ、それゆえに新潟地区の交わりを深めていきたいと願ってきましたが、まさに高根集落は普段から地域の支え合いがあり、今回もその力が発揮されているのだと感じました。
【東岸寺】
高根集落を後にし、荒川氾濫の被害の大きかった坂町にある東岸寺をお尋ねしました。野田尚道和尚とは、新潟キリスト者平和の会で、以前からつながりがあったためです。
東岸寺のある地域一帯も、床上浸水、床下浸水、車の水没などの被害を受けました。東岸寺は床下浸水ですんだとのこと。けれども車3台が水没被害を受けておられます。野田和尚も快くお話を聞かせてくださり、8月3日はお寺の前が池のようになっていた写真や、水が引いた後、池の鯉が側溝で困っているのを子どもたちが発見し、救出した写真などを見せてくださいました。
また、東岸寺よりも山側にある檀家さんのお宅がひどい被害を受けたのは、山からの洪水被害だったとのこと(先にも書きましたが今回の水害の特徴だと思います)。河川氾濫の水害を避けるために低地から山側に引っ越されたのに、山からの洪水の被害にあわれたことに心痛めておられました。
【坂町駅周辺】
坂町駅周辺は、車で通過して様子を拝見するだけとなりましたが、いままで観てきた水害地域(水海道や愛媛、広島など)を思い起こさせる光景が広がっていました。この地域へは社協のボランティアが入っていくようです。
【瀬波温泉】
帰りに温泉に立ち寄りましたが、被災地域、断水地域から、バスが仕立てられて(自家用車が水没された方も多かったためと思われます)、大勢の方たちが温泉に入りに来られていました。村上が温泉地でよかったなと思いました。
【玉置先生が印象に残ったこと】
以下、玉置先生の感想です。
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「水源の復旧の遅れが地域の復旧を長引かせている。そうでなければここまで大変ではなかった」とのボランティアセンター長の言葉。
→その前に水を配ったり山からの水が流れ溜められている様子を見てきただけに、飲料水にはならなくとも水が涌き出ていたり飲料水としての水が届いたりしてもやはりライフラインの重要性を改めて痛感させられた。それだけに復旧の目処が立てば少しは安心出来るだろうがそれが立たないことは大きな精神的負担の1つだろうと思わずにはいられない。そして被災支援として関わる者のちっぽけさを改めて痛感させられる。それでも覚えている人がいるとのメッセージだけは何とか伝えることが出来れば…そんなことを思った。
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【今後のことについて】
以上が報告となります。今回の水害の支援については、村上市や高根集落が募集しているボランティアに有志が応募する形が望ましいと思います。
現地のボランティアに関する情報については、村上教会池田純平牧師にお問い合わせください。
また、池田牧師と連絡を取り合いながら、村上いずみこども園の職員の方を通じて、高根集落の被災状況の変化を把握し、その時に応じた必要な支援のリクエストがあれば、それに応え支えていきたいと思います。
飯塚拓也
2022/08/09(Tue) 09:17 